【むーくんの経緯】
1700g台の低出生体重で生まれる。呼吸苦が続くため検査したところ、心臓の血管が気管に巻きつく「血管輪」による気管の狭窄が判明。生後23日目に血管輪除去手術。気管軟化症が残り、抜管が出来ずに福岡市立こども病院→兵庫県立こども病院に転院。縦隔炎を経て生後半年で気管切開手術。8か月半の入院生活を終えて自宅での生活がスタートしました!
むーくんの声は
相変わらず出ないままでしたが、
自分から発出する表現は
着実に増えていました。
普段家で生活している中では
うなずく、首を振る、表情など、
それなりの反応があるため、
親がたくさん話しさえすれば
コミュニケーションにあまり困らず、
むーくんから発出するための練習は
積極的には出来ていませんでした。
そこをカバーしてくれたのが
STさんの訓練です。
遊びを交えて実践するので、
頑張らなくても覚えてしまいます。
例えば、動物のオモチャを隠して探す遊び。
「動物さんどこいった?」
「ここかなー?どこー?」
「いなーい」「あったー!」
一連の遊びの中で、
「どこ?」「ない」「あった」
の手話を使います。
むーくんは何度もやりたがり、
家に帰っても同じように遊びました。
おかげでこの3つはすぐに覚え、
使えるようになりました。
また、別の時には八百屋さんごっこ。
野菜や果物を並べて、買いたいものを
手話で伝えて、「◯◯ください」の練習です。
実際に買い物バッグなども用意してくれていたので、
本当にそれっぽくて
むーくんは楽しんで訓練を行っていました。
後半になると動詞も覚えました。
「待って」「作る」「乗る」など。
「乗る」は、絵本、ぞうくんのさんぽ、を使って
練習しました。
動物さんたちが次々と背中に乗っていくたび、
「乗る」の手話を使います。
いずれも、本人が楽しめて、かつ
表現を自分の物にできる練習の仕方を教えてもらい、
親子通園の1年間のST訓練は
とても実のあるものになったのでした。